第21回目のマインドスケープ研究会が先週の4月9~10日に箱根の強羅で開催され、参加して来ました。といっても、今回は私が幹事でした。

マインドスケープとは、関西外語大学准教授・言語学博士の上地明彦氏により開発中の言語をベースにした新たな<心の地図>とも言える<心理的な認識地図>の事で、正式には「マインドスケープモデル」と言います。

研究会そのものの始まりは2010年で、年に3~4回のペースで開催し続けて、現在に至っています。すでに足掛け7年間経過したことになるわけですが、その間、内容を練り上げて来て、ようやく自分でも活用し、公表できる段階になってきました。近日中にサイトに詳細をアップして行きたいと思っています。

マインドスケープモデルって何?

その前にこのモデルの事を簡単に紹介したいと思います。

最初に<心の地図>と書きましたが、もう少し詳しく説明すると、言語という人にとって普遍的な構造を踏まえて、多層的な<人の心の認識世界>を、無意識領域も含めて統合的に表しているものがこのモデル、と言えるでしょう。

いわば、私たちの心(マインド)が持っている普遍的なパターンを地図で表しているものなので、自分自身の思考パターンや行動パターンなどを、その地図に当てはめることで、自分の姿そのものを地図上に浮かび上がらせることが出来る、という優れものなのです。

つまり、この卓越した心の認識地図の活用によって、現状の課題や問題を持つ自分自身の状態がどうなっているのか、ある意味客観的に認識出来るようになります。これによって私たちは、自分自身の全体像を俯瞰しながら、同時にその詳細としての心のパターン(信念や自分の役割など)や行動のパターンを見て取ることが出来るようになるのです。それはちょうど、さながら自分自身の縮図を見ているようなものかもしれません。

地図があれば道に迷うことはない。

もう少し分かりやすく言えば、<どこか知らない場所>に行って、もしも地図がなければ道に迷ってしまいますが、地図があれば、自分の位置を確認しながら目的地までたどり着くことが出来ます。

ここで言う<どこか知らない場所>というのは、私たちが悩みとしての問題や、乗り越えたい課題を抱えている状態と言っても良いでしょう。なぜならすでに知っている場所であれば苦もなく歩けますが、体験したことのない知らない場所などではストレスもかかり、思うように動けなくなってしまうからです。

私たちがストレスを抱えているときは、以外と周囲が見えていないもの。そうなると本来持っている自分の能力も発揮できなくなりますし、同じところをぐるぐる回ったりして、道に迷ってしまったりします。それはどこか知らない場所で地図も持たずに立ちつくしている状態に似ていると言えるでしょう。最悪の場合どうしてよいかわからなくなったりします。

しかし、たとえ問題や課題を抱えていても、地図があれば目的地までの最短の道を見つけることが出来ます。ちょうど上から俯瞰するように、全体を見渡しながら、客観的にどんな道があるのか、どの道を通ったら良いのか、その為には何をしたらよいのかをたやすく見つけたり、修正することが出来るわけです。

何が今の課題なのか、何が問題の本質となっているのか、どこで引っかかって前に進めないかを、意識的な行動のレベルから、さらには自分では意識できていない無意識のレベルにおいても、多層的に現在の自分の状態を俯瞰するように知ることができたとしたら、とても役立つわけです。

通常では、このように全体を俯瞰できる地図がないので、セラピスト側はカウンセリングの中で出口を模索したり、何となくこの課題にはこのスキルが合うだろうからとりあえず使ってみようとか、このスキルがあればどんなものにも対応できる、というかなり直線的で行き当たりばったりな方法論に陥る為に、時に効果があったりなかったり、時には空振りに終わってしまったりします。それで同じところをグルグルと回り続けてしまったりするのです。

しかし、この心の認識地図を活用することで、私たちの存在の全体像を見据えながら、今の状態や、ゴールに向かうのに必要な心のパターンを明確に知る、つまり現在や目的地の状態を<見立て>ることが出来るので、それにふさわしいスキルを活用しながら、ゴールや出口に向かう為のピンポイントで的確なアプローチが可能となるわけです。少なくとも精度は格段に上がります。

このモデルの活用によるセラピーやカウンセリング、コーチングの恩恵は計り知れません。

最近では、私自身、絶えずこのモデルを背後で活用しながら個人セッションを行って来ましたが、公表できる段階になってきましたので、今後は、もう少し明確にしながら活用していきたいと考えています。

尚、このマインドスケープモデルを活用した臨床例は、私自身、今年7月のブリーフセラピー学会にて事例発表する予定です。

また詳細は、近日中に「マインドスケープモデル」のサイト内ページにてアップして行くつもりです。^^